――ボクシング、桑原選手との出会いは?
きっかけは「柴犬」です。
インスタで桑原選手の実家の愛犬のここちゃんを見つけてフォローしたんです。
私の地元が座間に近く、その頃井上尚弥選手のことが噂になっていました。
私の両親が具志堅用高選手の全盛期からテレビでボクシングをよく見ていたため顔面にダメージを負うシーンにも抵抗はなかったけれど、尚弥選手の洗練された試合に惹かれて見たりしていたんですが、ここちゃんの飼い主の息子さんが同じ大橋ジム、という不思議なご縁で、桑原選手を知ったのです。
――桑原選手のどこに惹かれましたか?
最初に桑原選手の試合(木山鷹守戦)をYoutbeで見た時に雷に打たれたように感じたんです。「この選手が好きだ!」と(笑)。 今まで見たことがない動きに電撃が走りました。 色々と美しいものを鑑賞するのが好きで、アートや音楽やフィギュアスケートなどにハマって来ましたが、桑原選手の見事な足さばき、ディフェンスの身のこなしなど華麗なスタイルは、確実に一過性の好きではないって確信がありました。
――実際の試合はどうでしたか?
初めて生で観戦したのは、2019年7月の濱上京武戦です。 まだコロナ前でアルコールもヤジもあって試合会場は独特の雰囲気ありましたね。 それに打ち合いの「音」もすごい。 初めて五感でボクシングを感じました。 そして、桑原選手の素晴らしい動きはやはり「美」の領域だったと思います。 打たせずに打つスタイル。目でよける、足でよける、その鮮やかさ、華麗さ、スピード。 今でも私の目では動きを追えなくて試合動画を後から何度もリピートしています。
――印象に残る試合
初めてファイナルを飾ったこともあってレフジョ戦ですね。
私は前もって対戦相手の事を知りたいと思って色々な方から動画を入手していたんです。それで試合が味わい深くなりました。
湊義生選手との試合も印象深いです。
湊選手は、事前の印象では振り回すタイプと思っていたら、距離を詰めるのがうまく、桑原選手もパンチをもらったりして、こうした試合を経験するとお互いに強くなるんじゃないかと感じる、ヒリヒリすると同時にたっぷりと堪能した、充実感のある試合でした。
そして7月のカイハンハ選手戦。
彼の兄は山中選手とも戦ったことがある世界チャンピオン。
戦績では見えない怖さがありました。しかし実際は右アッパー一閃。
復帰1戦目より試合時間は長かったけど、ついつい、もっと堪能したい!と思いました。あらためて桑原選手のボクシングスタイルに魅了されました。
また以前みたいにノボリを持って皆でリングに送り出して応援したいですね。ファン同士の交流も楽しみの一つです。
――桑原選手の魅力とは?
人を喜ばせる天才なんではないかと思います。
私がまだ試合の応援に行けてなかった頃、「来てもらえる時まで勝ち続けます!」なんて言っていただいて。もうこれは行くしかない、って、心が沸き立つキラーワードですよね。
それにとても素直なところ。
「お母さんの声援がいちばん。手作りの生チョコが世界一」とか。
友達の試合で涙したり、子供や甘いものが大好きなところなど。普通の好青年らしさに微笑ましくなります。
もちろんファンには見せない膨大な努力の積み重ねや色んな感情があると思う。
桑原選手は「必死さ」を表出しないボクサーで、「試合で魅せる」という信念の方だと思います。
でも、その陰に隠れた見えないものを見たいな、という希望はあります。だからいずれ雑誌のインタビュー記事をたくさん読めるようになることを夢見ています。
日々の練習が見たいですねえ。スパーとか走り込みとか。願望だらけです(笑)尚弥さんみたいに「拓アプリ」とかできないかな?
――これからの期待
日本タイトルマッチでの敗戦。
直後はとても心配しましたが、翌朝、退院してファミレスで親御さんに笑顔を見せられる桑原選手が大好きです。芯の部分にカラッとした明るさ・強さがあるように感じましたので、不安なく復活を信じることができたし、ここからどうボクシングを変えてくるのか、楽しみに待つことができました。そして復帰後の素晴らしい姿。
ミュージシャンのことが好きなら何十年もずっと音楽の変化や生き様まで味わっていけるけれど、ボクサーの場合プロとしての時間には限りがある。
ずっと桑原選手の試合を観ていたいけれどそれは叶わない。一つ一つの試合を愛おしく思います。勝ち負けの一喜一憂だけに終わらず、桑原選手のもつストーリーにもっともっと熱くなりたい。
桑原選手には、自分の信じる道を堂々と進んでほしいと思います。スタイルが好き!から入った1ファンですが、もうすっかり人間「桑原拓」のファンです。
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